トランプ米大統領はこれまでのところ、北朝鮮に対抗するための戦略を実行するどころか、戦略をまとめることすらできていない。大統領に就任して1年近くが経過する中、唯一成果と呼べるのは国連で追加制裁決議にこぎ着けたことくらいだ。トランプ氏は過去の政権から問題を引き継がされたと不満をぶちまけているが、これが示唆するのは、次にどう行動するべきか、まったくわかっていないということである。

トランプ氏は11月、北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定すると大々的に発表した。だが、この決定は、そもそも象徴的なものにすぎない。テロ支援国家の再指定は、トランプ政権が主張するような「極めて重要な一歩」では、まったくないのだ。そもそも米財務省は、そのような指定を追加制裁のための必要条件とすらしていない。

しばしば指摘されているように、テロ支援国家のリストは、テロ組織との関係が疑われる国を網羅したものではない。現時点でテロ支援国家に指定されているのはイラン、北朝鮮、スーダン、シリアで、4カ国にすぎない。2013年まで大統領だったベネズエラの独裁者、チャベス氏とゲリラ組織「コロンビア革命軍(FARC)」との関係はよく知られていたが、ベネズエラはテロ支援国家の指定を免れている。FARCは米国務省がテロ組織と認定しているにもかかわらず、である。パキスタンもテロ支援国家指定につながるような関係がテロ組織との間にあると信じられているが、テロ支援国家リストにその名はない。

確かに、08年にブッシュ政権が行った北朝鮮のテロ支援国家指定解除も象徴的なポーズにすぎなかった。とはいえ、その意味合いは、トランプ氏が今回行った決断とはまるで異なるものだった。