(イラスト:ソリマチアキラ)

ゴルフ一筋に生きてきて、つねに喜びを感じている日々ですが、また新たな感動に出合うことができました。11月に安倍晋三首相夫妻が、米国のトランプ大統領を招いて迎賓館での晩餐会、その招待客の一人に私も入れていただいたのです。

その会場も、招かれている方々も華やかで存在感十分。「私がこんな場所にいていいんだろうか」。ふと、そう思う瞬間もありました。すでに他界している親父やお袋が知ったら、どんなに喜ぶだろうとも思いました。

千葉県我孫子市の農家の二男坊に生まれ、家に何もありませんでした。近くにはゴルフの名手、故・林由郎さんが住み、そのそばに我孫子ゴルフ倶楽部がありましたが、林さんは若くして出世して街の誇りでもありました。

「ゴルフが上手になると外国に行けて、おカネも手に入るんだ」

子供心にそんな気持ちがしみ付いていたんでしょう。中学生になると日銭が入るからという気持ちから、我孫子ゴルフ倶楽部でキャディーのバイトを始めたのです。仲間たちは、時間があると皆ゴルフです。やがて私も仲間入り、負けず嫌いの自分が、仕事前に数ホール回ろうと朝早く家を出ると、ラウンド途中のホールにお袋が朝と昼、2食分の弁当を届けてくれました。

やがて自分のゴルフクラブが欲しくなります。家にはクラブを買うなど余分なカネはないはずなのに、どう工面したのか、ある晩親父がクラブを買って帰ってきたのです。それが夢でないように、その夜は枕元にクラブを横にして寝たのを覚えています。間違いなく、私は家族の愛情によってプロゴルファーになり、愛ある厳しさの妻によって育まれました。この場を借りて感謝です。