変革の号砲を鳴らす衝撃的な人事だった。今年4月、元日本マイクロソフト会長の樋口泰行氏がパナソニックの専務役員(6月から専務執行役員)に就任した。津賀一宏社長が自ら「パナは変わらないといけない」と訴え、口説いた人物だ。

樋口氏は5度の転職を経て、25年ぶりに古巣へ復帰。4カンパニーの一つであるコネクティッドソリューションズ(CNS)社の指揮も執る。4月に新設されたCNS社は、グループのB to Bソリューション事業を担う。

10月に移転したCNS社の東京本社。フリーアドレスで社員の固定席はない(撮影:今井康一)

25年ぶりの出社だが、初日からすんなり仕事を始められた。同窓会に行って、かつての仲間たちとスッと話ができる感じだ。

津賀社長からは、タブーなしで改革をやってもらっていいと言われている。いろんなことを変えるために社員の納得感を醸成することが必要だが、みんなの気持ちを酌んでいるだけでは何も動かせない。改革のためには、パナソニックという文化との親和性と、戦略をシャープに遂行する欧米流の手法が求められる。自分の中に両方のバックグラウンドがあることを生かしていきたい。

「門真発想」に限界  就任早々移転を決断

同じ生態系の中にずっといると、世の中にそれとは違う生態系のあることが理解できなくなる。歴史が長く、会社が大きくなるにつれ、世の中の変化に対して鈍感になりがちだ。もっと言えば、「給料は天から降ってくるもの」と錯覚する社員も増えてくる。

それを防ぐには、企業の文化や個人のマインドを大きく変えていく必要がある。CNS社として、ビジネスにより前向きで俊敏性のある組織にしていく。われわれの給料はすべてお客さんのポケットから出てきているのだから、無駄な仕事を省いて、最短距離でお客さんのニーズに応えていく。