ディーン氏はグーグルの30人目の社員。ブレーンチームの創設者でもある(撮影:尾形文繁)

AI(人工知能)の恩恵をすべての人に──。

検索でのし上がった米グーグルが今、AI重視の戦略に大きく舵を切っている。日本でも10月に発売したAIスピーカー「グーグルホーム」は、その象徴だ。

こうした分野の技術開発を担うのが、精鋭を集めた社内の研究組織「グーグルブレーン」。グーグル随一の“頭脳”が考えるAIの未来とは何か。ブレーンの責任者を務めるジェフ・ディーン氏に直撃した。

──グーグルホームによってAIがより身近な存在になった。AIが生活に根付くために必要なことは何か。

私自身も自宅で使いながら感じるが、スピーカーとのやり取りはもっと自然にならなければいけない。音声の認識や合成の技術を磨いていく。

今のAIシステムはクラウド上にあるが、スマートフォンなどモバイル機器の中でもより多くの処理をできるようにしたい。そのための半導体チップの開発も進めている。実現すれば、スマホやスピーカー、(11月に米国で発売し、会話翻訳などの機能を搭載した)イヤホンの能力がより広がる。

──ブレーンが目指すAI研究の方向性は?

機械学習の発達により、技術はここ数年で飛躍的に進歩した。人間の脳の構造を基にしたシステムに大量のデータを読み込ませ、機械自身が共通点や特徴を学び取る。猫の画像を読み込ませれば、猫を認識するアルゴリズムができ上がる。データ量を増やせば、認識の精度はさらに高まる。

現在は一つひとつのアルゴリズムが、目的に合わせて一つのタスクをこなすだけ。スピーカー(などの対話型AI)がユーザーからの質問に答えるため、多様なタスクをこなす柔軟なアルゴリズムを生み出したい。