『軍事のリアル』を書いた冨澤暉氏に聞く 国際条理に通じる軍事的常識とは

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現代の軍隊は「戦争の道具」ではなく、世界の繁栄と平和を守るための基盤、が持論。

自衛権と正当防衛権はそもそも違う

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──日本人は軍事の基礎を知らないのですか。

昔の軍事は相手を撃滅することだったが、今は外交の背景としての軍事がほとんど。国際的な問題だ。外交の背景になる軍事を誤解されずにしっかり確立しなければいけない。そのためには国際条理に通じる軍事的常識を知らなければならない。おそらく日本と米国の関係においてもいろんな誤解があるのではないか。

たとえば「集団的自衛権」。今年10月から上智大学の特任教授になったマイケル・グリーン氏(米戦略国際問題研究所の上級副所長兼ジャパンチェア、元大統領補佐官)が皮肉交じりに、「日本人に集団的自衛権の意味を聞くと、100人いると100とおりの答えが返ってくる」と書いていたことがある。

──集団安全保障ではなく。

本当は集団安全保障(collective security)なのだが、集団的自衛権(right of collective self-defense)と日本人の誰もが言うのだからしょうがない、とも。

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