サイバー攻撃の能力強化を模索する国が次から次へと増えている。エスカレートするこの動きは危険だ。

私たちの社会はインターネットに大きく依存している。インターネットは最重要のインフラであり、ほかのインフラもインターネットに依存している。

こうしたデジタル時代の到来によって、私たちは新たな弱みを抱えることになった。ハッキングやサイバーテロだけではない。さらに問題なのは、国家がサイバー空間での軍事作戦に前のめりになっていることだ。

米国とイスラエルは2010年に「スタックスネット」というマルウエア(有害なソフトウエア)でイランの核施設を攻撃し、ルビコンを渡った。今や、すべての紛争にはサイバー的な要素が絡んでいるといっていい。

安全保障上、核兵器が最大の問題だった古い時代には、状況は違っていた。核兵器は複雑かつ高価であり、その技術は限られた高学歴の専門家にしか習得できない。

だが対照的に、サイバー攻撃の手段はあまりおカネをかけなくても開発したり入手したりすることができる。しかも、意外なほど扱いも易しい。つまり、脆弱かつ不安定な国であっても、サイバー攻撃の強国となることは可能なのだ。