米ピクサーのクリエーティブ部門トップ、ジョン・ラセター氏(中央)は、自ら半年の休職に入った(ロイター/アフロ)

米国では最近、セクハラで訴えられた有名人が、毎日のように職を追われている。

本稿執筆時の11月20日過ぎには、テレビのアンカーとして米国放送界でトップの座にあったチャーリー・ローズ氏がCBSから解雇された。また、『トイ・ストーリー』や『アナと雪の女王』などの巨大ヒットアニメ映画を生み出した、ピクサーのクリエーティブ部門トップ、ジョン・ラセター氏も、自ら半年の休職に入った。

セクハラの訴えはとどまるところを知らない。有名ジャーナリストや俳優、連邦議会議員までが、過去の悪行を次々と暴かれている。

この流れは去る10月初め、ハリウッドの大物プロデューサーであるハーヴィー・ワインスタイン氏の長年にわたるセクハラの事実が、ニューヨーク・タイムズ紙などによって明らかにされたことに端を発している。

同氏は、自らの立場を利用し、若い女優らに性交渉の強要も含むセクハラを働き、場合によっては、示談金を払って被害者を泣き寝入りさせてきた。

シリコンバレーでは以前、男性プログラマーが女性プログラマーの仕事を妨害するといったセクハラが問題視された際に、「シリコンバレーのような新天地でもそんなことが起こるのか」と意外な印象を与えたことがある。ただ、今回は、それ以上の衝撃が米国社会に走っている。

当然ながら、社会的な大物に対するセクハラ行為の訴えは、これまでもあった。だが、今回の流れは今までと異なる。人気女優を含む有名人が訴えたことで、流れが変わったのだ。一般の女性たちも、「#MeToo」というハッシュタグで自分たちの体験をシェアするという大きなうねりを生み出している。告発の動きはもはや後戻りすることはない。