二子玉川、武蔵小杉、自由が丘。沿線に「住みたい街」が多数あるのが東急線の特長だ。沿線の魅力が高まると鉄道利用者が増える一方、混雑が問題になる。田園都市線は10月、11月と2カ月連続で列車が長時間運休するトラブルに見舞われた。東急電鉄の野本弘文社長にブランド力の秘密と今後の課題について聞いた。

のもと・ひろふみ●1947年生まれ。71年東急電鉄入社。イッツ・コミュニケーションズ社長などを経て2011年から現職。(撮影:尾形文繁)

──ブランド力が強い理由は?

当社は鉄道会社だが、ベースにあるのは街づくり。街の利便性を高めるために電車を走らせ、街の価値を上げる。単に不動産を売るというのではない。系列企業で百貨店やストアを展開するのも街の利便性を高めるためだ。創業者の五島慶太や五島昇・元会長が、日吉駅に慶応義塾大学を、大岡山駅に東京工業大学を誘致したのもその一環。つねに若い人が沿線にやってくることは街の活性化につながる。

しかし、長年かけて築いたブランドも、今回の田園都市線のようなトラブルが続くとあっという間に毀損する。ブランド価値が下がると不動産価値も下がり、お客様にたいへんなご迷惑がかかる。非常に重く受け止めており、「これは警鐘だ」と社員には言っている。このようなトラブルを二度と起こさないことがわれわれの最大の使命だ。

──沿線が便利になると、沿線人口が増えてますます混雑するのでは?

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