記者会見する日産の西川社長。調査報告書ではゴーン流経営の弊害には直接触れなかった(撮影:今井康一)

「『ルールの方が悪い』『生産性を上げるためにルールを逸脱するのもやむを得ない』といった発想を持つことは避け難い──。」

日産自動車が11月17日にまとめた無資格検査問題に関する調査報告書は、規範意識の欠落やずさんなマネジメント体制を指摘する厳しい内容となった。

報告書では、国内工場5カ所で資格を持たない従業員が完成検査を行う法令違反は1990年代にすでに常態化し、古い例では38年前の79年までさかのぼることが明らかにされた。

完成検査制度は法令に基づき、メーカーがそれぞれ任命した有資格者が国に代わって実施する重要な業務だ。だが、日産ではこのルールを無視し、現場には勝手な解釈がはびこっていた。

神奈川県の追浜工場では「見極め」と呼ばれる社内用語を用い、法令とは別の手続きで検査員の習熟度を判断。指導検査員が意図的に不具合を仕掛けた車両を生産ラインに流し、不具合を検出した数と検出に要した時間で合否を判定していた。

見極めに合格すれば、無資格でも完成検査を任せており、現場では「検査に習熟して“見極め”が済んでいる人は、完成検査員と同等の能力があるという認識だった」とする。

一連の不正は、国土交通省が9月18日に日産車体の湘南工場に対して行った抜き打ち検査で発覚。その後、日産は同工場に「資格を持たない者が完成検査を行ってはならない」との注意喚起を行うなど、再発防止策を講じたはずだった。

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