煤煙のデータ改ざんで謝罪する当時社長の犬伏泰夫氏(中央)。その後も不祥事は続いた(時事)

「各事業部門の収益がどうかだけを見ていて、品質管理など工場の生産活動に関する諸問題を把握できていなかった」

神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長は11月10日、再発防止策に関する報告書を公表する記者会見の場で、品質データ改ざんの原因についてそう述べた。端的にいえば、経営陣が重視したのは「儲けているか」だけであり、それ以外は軽視していたということだ。まさにガバナンスの欠如を裏付ける発言であり、その姿勢には首をかしげざるをえない。

神鋼は過去にも不祥事を繰り返している。1999年の総会屋への利益供与、2006年には工場から排出する煤煙のデータ改ざんが発覚(上写真)するなど不正のオンパレードだ。09年の政治資金規正法違反では、トップの辞任劇に発展した。昨年もグループ会社において、ばね用ステンレス鋼線の試験値を改ざんしていたことが明らかになり、JIS(日本工業規格)認証を取り消されている。

神鋼は問題が起こるたびに謝罪している。だが根本的な企業体質は、まったく変わっていないといわざるをえない。

「中小企業がそのまま大きくなった会社が神鋼だ。組織や社内規定、業務の進め方がまったく近代化されていない」