働き方改革やら生産性革命やら、いろんな言葉が飛び交う昨今である。しかし日本企業の生産性が上がらない真の理由がどこにあるのか、いま一つ正体が見えていないのではないか。

物流ビジネスを例にとって考えてみよう。日本国内の運送コストは、国際的に見て割高である。と聞けば、規制業種だし、高速道路料金は高いし、小型トラックを使った零細業者が多いし……といった声がすぐに返ってくるだろう。

国土の構造に伴うやむをえない理由もある。日本の国内輸送はトラックが9割。これに対し、米国はトラックと鉄道が4割ずつ。しかも大型トレーラーが運んできた53フィート(約16メートル)コンテナを、鉄道では2段積みにして運ぶ。規模のメリットがまるで違うのだ。

これに比べて日本国内は小口配送が中心となる。しかも国土は一極集中型なので、積み荷が偏って行きは満載だが帰りはガラガラ、なんてこともある。

しかれども、ここであきらめてしまってはいけない。問題はコスト削減に向けて、当たり前の努力が行われていない点にある。

日本の配送には無駄が多いのだ。トラックドライバーの運転時間は1日平均6時間だが、拘束時間は12時間。つまりは「荷待ち」の時間が長い。これでは時給も上がらず、ドライバー不足も生ずるはずである。