「ライドシェア」サービスが世界で広がっている。

スマートフォンで専用アプリを開き、出発地と目的地を入力して配車を頼むと、近くにいる一般人の乗用車が指定場所へタクシーのようにやってくる。料金は事前に決まっているので、走行中に気にする必要はない。途中で見ず知らずの他人が同乗してくるが、料金は多くの場合、正規のタクシーの半分ぐらいで済む──。

2010年、米国サンフランシスコで始まったライドシェアサービスは、「安さ」と「便利さ」を求める消費者に支持され、瞬く間に全米へと拡大。さらにカナダや中南米、欧州、アジアなどへも広がりを見せる。インターネットを介して個人が一時的にモノを共有するシェアリングエコノミー(シェア経済)時代の到来を象徴するサービスとなった。

そのパイオニアで急成長を遂げたのが、米国のITベンチャー企業、ウーバー・テクノロジーズだ。ITでユーザーと登録ドライバーを瞬時にマッチングさせるオンデマンド配車サービスを手掛け、すでに世界約80カ国で事業を展開。同社の配車サービスを利用した乗車数は、今や全世界で毎日1000万を超えるという。

ウーバーは日本にも進出し、14年に東京でオンデマンド配車サービスを開始した。それからおよそ3年半。はたしてウーバーは、日本でも革命を起こしつつあるのだろうか。

11月の平日夜、東京・日本橋から墨田区へと向かうため、同社の配車サービスを利用した。アプリはよく作り込まれていて、配車確定までの手順は簡単。マップで車の現在地が確認でき、徐々に近づいているのが手に取るようにわかる。

待つこと数分、やってきたのは黒塗りの高級車だった。降りてきた運転手が「平成ハイヤーの▲▲です。郁子様ですか」と丁寧にあいさつし、白い手袋をした手でドアを開けてエスコートしてくれた。高級車だけあって車内は快適。ただ、かかった料金は約3200円と、普通のタクシーの倍近い。アプリにはハイヤーより安いタクシーも選べると表示されているが、その契約車両が極端に少ないようで、数日間にわたって試してもタクシーには乗れなかった。

一般の素人ドライバーが自家用車を使って、正規のタクシーよりも格安で目的地まで運んでくれる。それがライドシェアで、ウーバーのサービスの特徴だったはず。だが、日本で展開しているのは、あくまでハイヤーの配車サービスだ。