神戸製鉄所の高炉は10月末に休止。石炭火力発電所を建設予定だ(撮影:ヒラオカスタジオ)

「神戸製鋼所には厳しい姿勢で臨みます」

11月7日に川崎重工業(以下、川重)が神戸市内で開いたメディアとの懇親会。そのあいさつで、金花芳則社長が開口一番に切り出したのがこの言葉だ。大企業の社長がメディアの前でほかの企業を批判するのは珍しいが、金花氏は自ら「神鋼批判」を切り出した。

神鋼と川重は神戸市に本社を置く数少ない名門企業だ。神鋼は1874年に神戸で創業した鈴木商店を源流とし、川重も1896年に川崎造船所を創立以来、神戸に深く根を下ろしている。これまでは両社が地元の財界活動を牽引してきた。

ところが、「今やメリットがなく手を引きたいのが本音だ。今回の件で神鋼が財界活動を自粛するのは確実。川重におはちが回ってくるのが煩わしいのだろう。ただでさえ川重は神鋼から製品を調達しており、迷惑を被っている。その怒りが出たのではないか」と地元財界関係者は解説する。

中でも今回の不祥事で困り顔なのが関西経済連合会だ。副会長ポストには「神戸枠」があり、現在は神鋼の相談役の佐藤広士氏が就いている。関経連関係者は「今回の不祥事を受けて佐藤氏自らが辞任を申し出てくるだろう」とみる。そうなると、神戸に本社を置く別の企業から選ぶことになる。