10月末、習近平が新指導部メンバーを引き連れ上海を視察。市内の党施設で仰々しい宣誓を披露した(新華社/アフロ)

ちょっと驚きの光景だった。

10月31日、中国共産党中央総書記に再選されたばかりの習近平は、一中全会(中国共産党第19期中央委員会第一回全体会議)で新たに選出された「新七皇」(党最高指導部となる7人の政治局常務委員)を引き連れ、地方の視察に出かけた。

現れたのは上海市興業路76号である。1921年7月、中国共産党が最初に産声を上げた記念すべき場所で、今は中共一大会址記念館が建てられている。

同記念館の中で習近平は、96年前に第1回会議に出席した革命家たちへの思いをたっぷりと語った後、なんと国旗の前で6人の新常務委員を引き連れ、仰々しく宣誓を始めたのである。

新七皇と入党時の宣誓 アナクロな習政治

翌日の主要紙には、その写真がデカデカと掲載された。

握った拳を顔の横に置く敬礼のような姿勢の習近平を中心に、その後ろに新常委6人が一歩下がって並んだ光景は、昭和の歌手・内山田洋とクールファイブを思い出させ、少々コミカルな雰囲気にも思われた。だが、当の新常務委員たちは大まじめに、入党時の新党員がする宣誓を習に従って復唱したのだ。

珍しいことなので以下にその宣誓の中身を列挙したい。

●私はここに中国共産党への入党を志願します。
●党規約を擁護します。
●党のルールを順守します。
●党員の義務を履行します。
●党の決定を執行します。
●党の規律を厳守します。
●党の秘密を守ります。
●党に忠誠を尽くし積極的に働きます。
●共産主義のために終身奮闘します。
●党と人民のために好みを犠牲にする覚悟を持ちます。
●永遠に党を裏切ることはありません。

「19大」(中国共産党第19期全体会議)でにおった、何ともアナクロで時代を逆行させるかのような習政治の違和感が集約されたような場面だった。

習指導部は一方で中国の発展のロードマップをきっちりと描き、着実に産業や技術の底上げを果たしてきた。また、次の発展の障害となる汚職問題にも大ナタを振るい、大きな成果を残している。

その反面、社会の監視を強化し言論空間を狭めている。民主集中制という枠さえ逸脱した権力集中の様相を呈する政治を行うなど、首をかしげたくなるような一面も同居している。

こうした現指導部の特徴が最も如実に表れているのが軍への権力集中の動きだ。