「あのときは本当にどうしようかと思った。クルー(パート・アルバイト)がどんどん辞めていく。つらく申し訳ない気持ちでいっぱいだった」。東京都下でハンバーガーチェーン、マクドナルドのフランチャイズ(FC)20店を運営する、ビッグタイムの内田章代表はそう振り返る。

「あのとき」とは2014~15年のこと。マクドナルドは14年7月に期限切れ鶏肉使用問題が発生、15年1月には商品への異物混入問題が起きた。日本マクドナルドホールディングスの既存店売上高は3~4割減り、2期連続赤字に陥った。

それから2年。「業績の進捗状況はうれしい」と日本マクドナルドHDのサラ・L・カサノバ社長兼CEOが語るように17年度純利益は、鶏肉問題合意金特益や税効果などによる押し上げがあるとはいえ、過去最高を更新する見通しだ。既存店売上高も前年同月比プラスが23カ月続いている。

異物混入問題のあと、マクドナルドは全店で徹底的な清掃と機器点検を行った。第三者機関による全店抜き打ち検査も実施した。

15年4月には経営再建策「ビジネスリカバリープラン」を策定。セットメニューの刷新、店舗改装などと並ぶ改革の目玉として地区本部制を導入した。これは2代前の藤田田社長時代にもあったが原田泳幸前社長時代に廃止されていた。「以前の地区本部制のときは直営店が多く店舗数を拡大していくための事業部という位置づけだった。現在は本部と現場の距離を近くし、地域に根差した店舗運営を行っていくための制度だ」と下平篤雄副社長は語る。東日本、中日本、西日本の3地区に分け、人事、財務、マーケティングの権限を委譲した。

FCオーナーに対する財務的な支援も行った。不祥事で売り上げが急減したことで、財務状況が悪化したFCオーナーが数多くいた。15年度は100億円超、16年度は50億円の加盟店支援費用を投じ、本部に支払うロイヤルティの軽減などを行った。