トランプ氏のアジア歴訪中、ムニューシン財務長官やイヴァンカ氏らは、税制改革会合に臨んだ(AFP/アフロ)

11月初め、法人税率の引き下げを焦点とするトランプ政権の税制改革をめぐり、その意気込みを感じさせる出来事があった。

トランプ氏のアジア歴訪に、ムニューシン財務長官や経済担当のコーン補佐官といった政権の重要閣僚が同行しなかったのだ。実は、トランプ氏の側近は税制改革の実現のため、米国に居残っていた。コーン補佐官やパーデュー農務長官は、首都ワシントンで議員への工作にいそしんだ。

一方、ムニューシン長官は、一足早く日本から帰国した大統領の長女イヴァンカ氏とカリフォルニア州で企業に税制改革の重要性を説明するイベントに臨んでいた。

減税の立法作業を担う議会共和党の議員たちの動きも本格化してきた。下院からは11月2日、法人税率を現状の35%から20%に引き下げることなどを定めた法案が発表され、議会での審議が急ピッチで進められている。

今回は、単なる減税政策ではない。減税と同時に、各種の優遇税制を縮小することで、税制の簡素化と増収策の具体化を実現しようとするものだ。

トランプ政権と共和党は、年内の改革実現を目指している。これは非常に野心的な目標だ。それぞれの優遇税制の縮小には、ロビイストによる抵抗が付きものだ。利害関係者との調整は複雑極まる。

1986年のレーガン政権の税制改革では、法案発表から可決までに10カ月以上を要した。それを共和党は2カ月以内で終えようとしている。