12月は「寄付月間」だという。運動の旗振り役を務める小宮山宏・三菱総合研究所理事長(元東大総長)に聞いた。

こみやま・ひろし●1944年生まれ。専門は化学システム工学、機能性材料工学、地球環境工学。2005〜09年東京大学総長。09年から現職。「寄付月間推進委員会」の委員長。(撮影:尾形文繁)

──「寄付月間」とは聞き慣れませんが、どんなものですか?

日本に寄付文化の土壌を築こうと、NPO法人や公益法人、大学、企業、行政などが2015年から始めたものだ。毎年12月に啓発キャンペーンをしている。運動に参加する法人が、寄付を募ったりシンポジウムやイベントを開いたりする。

寄付文化は、欧州はともかく米国との違いが歴然としている。特に個人でその差が大きく、米国の個人の寄付金総額は年間30兆円、日本は7700億円と推計されている。日本に寄付文化を根付かせるのが目標だ。

──米国の寄付はキリスト教文化との関連がよくいわれますが。

それは違うと思う。日本でもお寺に行けば灯籠(とうろう)なんかが寄進してあって個人の名前が彫られている。寄付文化がないわけじゃない。それに東日本大震災や相次ぐ自然災害に際して寄付やボランティアも増えてきた。ただし寄付文化が根付いているわけではない。

なぜそうなのか。おそらく、「公共」というものは国がやると思っていて、個人一人ひとりがやるものではないと思っているからではないか。でも日本は国家財政が苦しくなり、税金ですべてを賄うのは難しい。一方で、社会的な課題がある。個人が寄付をすることで解決につながることもある。

──東大総長時代に、財務の強化のために寄付を集める部署を作りました。

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