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パラノイア的技術経営論 インテル アンディ・グローブの懐刀が語る

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インテル中興の祖、アンディ・グローブ氏が愛(まな)弟子に語った経営思想には時代を超える価値がある。

急速な勢いで、技術革新が進んでいる。AI(人工知能)やロボティクスといった技術があらゆるビジネスを変え、浮かぶ企業と沈む企業を分けつつある。技術がもたらす商機と危機を見極められるかは、あらゆる業界のマネジメント層に問われる「サバイバルの条件」だ。

この時代に手本となる技術型経営者がいる。米インテルの3代目CEO、故アンディ・グローブ氏だ。草創期のインテルに共同創業者二人に続く3番目の社員として入社。数々の英断でパソコン需要の爆発期をうまくとらえ、プロセッサー半導体市場における無双企業を作り上げた。

グローブ氏の長年にわたる懐刀で、インテルの初代CTO(最高技術責任者)を務めたのが、米VMウェアのパット・ゲルシンガーCEOだ。10月下旬に来日したゲルシンガー氏に、グローブ流経営から今学ぶべきことを聞いた(以下、ゲルシンガー氏の言葉の中では、グローブ氏をアンディと表記)。

VMウェアCEO・インテル元幹部 パット・ゲルシンガー
Pat Gelsinger●1979年、18歳でインテルに入社。グローブ氏に見いだされ、史上最年少の32歳でバイスプレジデント、2000年にCTO。09年に米EMCのCOO、12年から現職。スタンフォード大学修士(電気工学)。(撮影:今井康一)

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私にとってアンディは、35年にわたるメンターであり、ソウルメートでもあった。きっかけは、私が設計現場のエンジニアだった頃のある会議だ。アンディだけでなく、共同創業者であるゴードン・ムーアとロバート・ノイスを含む、半導体業界のレジェンドがそろった場だった。そこで駆け出しの私は、あるプロセッサーの量産化責任者としてプレゼンテーションをすることになった。ちょうど社内のコンピュータが故障していたので、「さっさと修理しろ。そして私のチップ(半導体)を出荷させろ」と言ってのけるなど、私のプレゼンはとんがっていた。

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