週刊東洋経済 2017年11/11号
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乱立する薬局が街の風景を変えて久しい。気がつけば薬局の数は5.8万店に達し、急増するコンビニ店舗数(5.4万店)をも上回る。それでもなお、年間約1000店の薬局が新たに開設されている。

コンビニを上回る数の薬局がなぜ潰れずにやっていけるのか。高齢化による患者数の増加だけでない。国が設計した調剤報酬制度の裏をかき、国民の医療費を吸い上げる大手チェーン薬局を中心とした巧みな企業努力がある。時に、与党政治家を味方につけ、制度改正の場で薬剤師たちの利益を訴えて政策を通す政治力がある。医師の出した処方箋を基に薬を出すだけで3割超の粗利益を稼ぎ出す金城湯池(きんじょうとうち)は、こうして維持されてきた。

一方、1983年以降、薬学部の新設は久しくなかったが、6年制化と前後する03〜08年の6年間で28の大学・学部が新設された。地方で定員割れ学部が増えているにもかかわらず、18年以降さらに2大学の新設が予定されている。

折しも、国の財政難が深刻度を増しており、膨張する調剤報酬に厳しい目が向けられ始めている。本特集は複雑な薬局ビジネスのカラクリを解剖するとともに、薬局・薬剤師の今後の行方も展望する。

品川区旗の台にある大学病院の門前は、数多くの薬局が密集する(撮影:今井康一)