北京の人民大会堂で、19大の開幕式に臨む習近平総書記。異例の3時間半にわたる政治報告を行った(Top Photo/アフロ)

10月18日、中国共産党第19回全国代表大会(19大)が開幕し、習近平総書記が政治報告を行った。それを聴くかぎり、中国の最大の関心は経済発展にある。中でも、トウ小平氏の指示である「全面的な小康状態を必ず達成する」ことが必須の課題となっている。

政治報告では「海洋強国をアピールした」と報じるメディアもあるが、「海洋強国」という表現が用いられたのは1回だけだ。13項目の5番目である「新発展理念を貫徹し、近代化経済体系を建設する」の中で使用されている。

中国にとって海洋強国になることは、経済発展のための必須条件である。海洋は、資源を得る場所として重視される一方、内陸部と同様の辺境として意識される。

海洋強国実現のために中心的役割を果たすのは海軍であるように思われるが、「海軍」という名称は、10番目の項目の「中国の特色ある強軍の道を堅持し、国防と軍隊の近代化を全面的に推進する」の中に1回使用されるだけだ。

さらに言えば、軍事に関するこの10番目の項目は、中国語の文字数にして全体の3%にも満たない。中国国内政治における課題としては、軍事の優先順位は決して高くないということである。

内容も、「軍事のAI化」「ネットワークを基礎とした統合作戦能力」(米軍のネットワーク・セントリック・オペレーションを意識)などと並んでいるが抽象的である。