10月22日投開票の総選挙は自民党が圧勝、公明党を加えた与党は衆院の3分の2を上回る勢力(自民284、公明29の計313議席)を維持した。

安倍晋三政権はアベノミクスを継続し、憲法改正論議も加速させる方針だ。しかし、北朝鮮問題や経済再生など課題は山積している。森友・加計問題はなお安倍首相の足元を揺さぶる可能性がある。

今回の総選挙をめぐって、安倍首相がヒヤリとした瞬間があった。小池百合子東京都知事が結成した希望の党に民進党が合流し、多くの選挙区で自民対希望という一騎打ちが実現するかもしれない。そんな場面だった。

小選挙区制の下で民進、希望、共産など野党が乱立すれば自民党にとっては有利だが、逆に野党がまとまれば楽観できない。一騎打ちなら自民党が衆院の過半数を大きく下回り、200議席割れもありうるという試算もあった。その場合、安倍首相は退陣。野党に政権を明け渡したという汚名を着せられる。だが、実際には野党が分裂。枝野幸男元官房長官が立ち上げた立憲民主党が健闘して、希望は失速。自民党が漁夫の利を得た。安倍首相は命拾いをした。

このコラムを終えるに当たって、総選挙を終えた日本政治に欠けている点を考えてみたい。