20年間に及ぶ呪縛から逃れるには、かなりの苦難が伴いそうだ。

広告代理店3位のアサツー ディ・ケイ(ADK)は10月2日、世界最大の広告グループで株式の24.9%を保有する筆頭株主・英WPPとの提携を解消すると発表した。

米投資ファンドのベインキャピタルは10月3日から11月15日までADKにTOB(株式公開買い付け)を実施し、子会社化。その後、非上場とした上で改革を進め、数年後に再上場させるもくろみだった。

ところが、発表後の株価は急騰し、TOB価格の3660円を超えて推移している。WPPも「TOB価格が安く、企業価値を過小評価している」という声明を出し、TOBに応じない方針を明らかにした。第2位株主の英運用会社も同様の方針だ。

TOB価格が低いとの声に対し、ADKの中井規之取締役は、「当社が保有するWPP株の価値は約650億円もある。これを除いた正味の事業価値で考えると、プレミアムは過去1カ月の時価総額と比較して40%超になる」と主張する。

高騰する株価も投機筋による思惑買いとの見立てで、植野伸一社長は「株主とはコミュニケーションをとる。価格はいずれ落ち着き、TOBは成立すると考えている。ベインとも何か(新たな)対策を練っているということはない」と断言する。

ADKがWPPとの決別を急ぐのは、提携自体が成長を阻害する要因になっていると分析するからだ。

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