訪日外国人の消費が、昨年後半から急回復している。日本百貨店協会によると、9月のインバウンド(訪日旅行)売上高は232億円と、単月で過去最高を更新した。これからも拡大は続くのか。高島屋の木本茂社長に聞いた。

きもと・しげる●1956年生まれ。79年横浜高島屋(現高島屋)入社。横浜店副店長や新宿店長、常務取締役、構造改革推進室長などを経て、2014年2月から現職。(撮影:尾形文繁)

──現在のインバウンド消費には、どのような特徴があるのか。

免税売り上げは中国政府による個人輸入関税引き上げの影響で低調だったが、昨年後半からの円安基調を支えに戻り始めた。

特徴的なのは関西圏の伸びが高いこと。高島屋の今上期(2017年3~8月期)の免税売上高は全体で前年同期比1.5倍だったが、大阪店が1.8倍、京都店も1.7倍だった。関西国際空港でLCC(格安航空会社)の便数が増えていることが大きい。

また、単価の高い商品群もプラスに転じている。昨年は化粧品などの消耗品が伸びたものの、ラグジュアリーブランドや宝飾品などは前期割れしていた。今年は高額品も上向いている。

──インバウンド消費は今後も伸びるのか。

高島屋の免税売り上げのうち83%が中華圏(中国、台湾、香港など)の客によるもので、ほかと比べても伸長率が高い。「中国人のパスポート保有率はまだ全体の5%」といわれていることを考慮すれば、伸び代はあるだろう。

──日本人客の消費も回復傾向にあるのか。

百貨店業界は、日経平均株価に連動して含み資産が膨らむと、消費が増える傾向にある。現在、富裕層客の売り上げは順調だ。

一方、中間層はまだ回復していない。婦人服、紳士服ともに衣料品はマイナスで推移している。この9月は早めに寒くなったことで天候に救われた印象はあるが、婦人服、紳士服がともに上向いた。国内消費はやや明るい兆しが出てきていると感じている。

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