てこね寿しは漁師が釣った鰹の身を船上で酢飯と手で混ぜ合わせたことが発祥の料理

青春18きっぷが1日分余った。JR1日乗り放題のこの切符は5回(日)つづり1万1850円で、1日当たり2370円。できるだけ遠方に足を延ばし元を取りたいと東京発大垣行きの夜行列車「ムーンライトながら」で伊勢神宮を目指すことにした。2017年7月のことである。

金曜夜の退社後、小田急のロマンスカーで小田原へ。青春18きっぷは0時を過ぎないと使用できないので、小田原までは小田急で進出しておく。

小田原では旧知の食べ友達Y夫妻とビストロで飲んだくれた後、かつては「青春」世代の巣窟であり、いまは中年男子の巣窟と化した満席の大垣行きに乗り込む。

翌朝5時すぎに名古屋に到着し関西本線で亀山近くの関宿へ向かう。東海道の47番目の宿場町は、町並みの保存状態がすばらしく、国の重要伝統的建造物群保存地区と日本の道百選に選定されている。

朝の7時すぎということもあり、観光客はほとんどおらず、街道はひっそりとしている。道は舗装されており、後から修復した建物も少なくないが、全体を眺めると江戸時代にタイムスリップしたような錯覚に陥る。

街道沿いに置かれた椅子に座っていると70代くらいの地元の女性に声をかけられた。1週間前に祭りがあり、山車が出たという。「関の山」の語源ともなった山車だ。その轍がまだ残っていると彼女が路面を指さした。