新飯塚駅近くにある広大な麻生邸。炭鉱の開発で財を成し、地方財閥に成長した

博多駅から電車で約40分。たどり着いたJR新飯塚駅(福岡県飯塚市)を出て数分歩くと、周囲を高い壁に囲まれた武家屋敷を彷彿させる古風な豪邸が現れる。九州経済連合会(九経連)会長を務める麻生泰氏(71)や実兄の麻生太郎副総理兼財務相(77)を輩出した麻生家の邸宅だ。

麻生家は太郎氏や泰氏の曽祖父、太吉氏が1872年にこの地で炭鉱業に乗り出し、「石炭王」となった。名家や皇族と政略的に姻戚関係を結んできた、九州の華麗なる一族でもある(記事下図)。

飯塚の街中には北九州方面につながる遠賀川が流れる。そこに2009年2月、水害で流された二つの橋が同時に架け替えられた。太郎氏は08年9月から1年間、首相を務めていた。地元では「麻生さんだからできた早業」とささやかれる。北九州市に本拠がある九州工業大学の情報工学部キャンパスを飯塚市内に誘致したのも太郎氏の影響力とみられる。

現在は泰氏が引き継いでいる麻生グループは戦後、炭鉱業からセメント業に転じた。現在は医療関連や人材・教育、情報・ソフト、生活サービス、建設・セメントなど多角化している。時代の流れに合わせて業態を変えて生き延びてきており、これは安川電機(→関連記事へ)の動きと似ている。