御年87歳。戦前から横浜を見続けてきた長老の目に、今の港はどう映っているのか。藤木企業の藤木幸夫会長に聞いた。

藤木企業 会長 藤木幸夫
ふじき・ゆきお●1930年生まれ。53年早稲田大学政治経済学部卒業後、オール商会を経て、55年藤木企業入社。70年社長、2008年から現職。横浜エフエム放送社長、横浜港運協会会長も務める。(撮影:今井康一)

──地域密着の企業として横浜の現状をどう見ていますか。

親父の代から港で仕事をさせてもらっているが、横浜には世界的なネームバリューがある。ハンブルク(ドイツ)やロッテルダム(オランダ)などの港町では、子どもでも横浜を知っている。ある評価機関によれば、横浜港は信頼性でも荷役の効率でも世界一だ。

ところが横浜港で扱う貨物の量は減ってきている。製造業は安い労働力を求めて中国に行った。もっともな行動だと思うが、その後は全然帰ってこない。いくら立派な港があっても貨物のないところに船は来ない。かつてのようにアジア各国の貨物が北米に輸出される際、最後に立ち寄るラストポートという地位でもなくなった。