検査用の内視鏡で世界シェア7割を誇るオリンパス。足元では第2の収益柱の確立に向け、開腹せずに腹部を数カ所切開して手術する腹腔鏡など、外科手術用機器の開発や販売に注力している。こうした機器を扱う外科事業の成長をどのように実現していくのか。笹宏行社長に聞いた。

ささ・ひろゆき●1955年生まれ。82年入社。内視鏡事業企画部長や、オリンパスメディカルシステムズのマーケティング本部長などを経て、2012年から現職。(撮影:ヒダキトモコ)

──なぜ今、外科手術分野を伸ばそうとしているのか。

患者にダメージが大きい開腹手術の場合、入院期間が長く医療費も高くなる。腹腔鏡のように身体への負担が軽い手術なら、入院期間が短くなり、医療費を抑えることができる。

外科手術用の内視鏡における当社の世界シェアは25%で、国内では50%に達する。北米にはストライカー、欧州にはカールストルツといったライバル勢がいるが、製品力という点においては当社のほうが優れている。

──2013年には、ソニーと外科手術用機器を手掛ける合弁会社を設立した。

合弁会社は外科手術分野で中心的な役割を果たしている。ソニーには放送用カメラで培った最先端の映像技術がある。当社が持つ医療分野のノウハウと融合して、技術力のある製品を生み出している。ただ、販売力では欧米の会社にやや劣っているのは事実だ。

──販売力が弱い原因はどこにあるのか。

正直、組織だった動きができていなかった。すでに競合製品を使用している病院で、当社の製品と置き換えてもらうためには、競合との契約がいつ切れるのか、病院が何を問題視しているのかを把握していく必要がある。時にはマーケティング担当者や開発陣も、営業に同行する仕組みを作っていきたい。