戦略店舗として開店した東京・調布の新店(撮影:尾形文繁)

スポーツ用品販売店「ゼビオ」を全国展開するゼビオホールディングス(HD)。グループ総店舗数は現在740店舗を超える。2016年にはライバルのアルペンを抜いて、スポーツ量販店業界でついに売り上げ首位となった。

ゼビオ創業者の諸橋廷蔵氏(故人)は1962年、福島県いわき市に紳士服店を開業。「割賦販売が主流だった紳士服業界にあって、現金購入を条件に格安で販売する斬新な手法で大成功を収めた」(いわき市議会議員で公認会計士の吉田実貴人氏)。

廷蔵氏は紳士服での成功に甘んじることなく、カジュアルやスポーツへと業容を広げる。79年にはスポーツ業態を取り入れたロードサイド型大型店を開店。徐々にスポーツへと経営資源を集中し、競合が少ない福島県内で実績を積み上げ、茨城県や長野県など近県へ販売網を広げていった。

諸橋家はいわき市の豪商で、鍋・釜など金物の販売で事業を拡大した釜屋(1700年創業)を運営する名家だ。廷蔵氏は超現実主義の画家、サルバドール・ダリの作品の収集家としても有名だ。廷蔵氏が収集した美術品を中心に展示している諸橋近代美術館は、ダリの作品を300点以上所蔵しており、「特に彫刻作品が珍しく、世界でも3本の指に入るダリ美術館」といわれる。「東北有数の景勝地、磐梯朝日国立公園内の五色沼近くに5.5万平方mの敷地を持ち、地元観光の中心的な存在となっている」(地元経済団体の職員)。