安倍晋三首相の強引な解散、小池百合子氏も自ら立候補せず二重権力を肯定する(時事)

5年間に及ぶ安倍政治の是非を問う衆院選も後半戦に入った。

安倍政治にイエスかノーかが最大の争点であることから、安倍晋三首相率いる自民党が現有勢力を維持できるのかが焦点となっている。当初は、ほぼ確定的と見られていた2018年9月の安倍首相の自民党3選が困難になる展開や、引責辞任の可能性も取りざたされていたが、マスコミ各社の報道では予想以上の自民党の優勢ぶりが伝えられている。

どんな結末になるのか、表裏を成すのが、二つの新党の行方だ。分裂した民進党の保守系議員を選別吸収した、小池百合子東京都知事率いる「希望の党」、そして希望の党入りに同調できず民進党から離党した枝野幸男元官房長官が立ち上げた「立憲民主党」がそれぞれ伸長するのか伸び悩むのか、その結果、永田町がどのような勢力図になるのかが今後の日本政治を占う手掛かりとなる。メディアの注目もそれに集中している。

しかし、ここでは、今回の安倍首相による衆院解散が直接、間接的に日本政治にもたらした三つの深き「罪」をいま一度確認しておきたい。

まず、民進党の混迷、小池氏による国政新党立ち上げの動きが本格化する前という野党の虚を突いた解散のあり方そのものだ。

押さえておかなければならないのは前回14年の衆院解散も、野党が民進党と日本維新の会の前身政党に分立しているうえに両党の選挙準備が整っていないタイミングで行われたということである。

安倍首相は民進党と希望の党について当選目当てと批判しているが、自身が、議席維持を目当てに衆院解散を行ったということをまったく意識していないのだろう。