総選挙は10月22日の投票に向けて大詰めの攻防が続いている。安倍晋三政権は存続できるのか、小池百合子・東京都知事の希望の党は政権を奪取できるのか、枝野幸男元官房長官の立憲民主党はどこまで勢力を伸ばせるのか。選挙結果ごとに今後を占ってみよう。

(1)自公で安定多数・政権維持

自民、公明の与党が定数465の過半数233を上回るだけでなく、常任委員長の全ポストを与党が占めることができる244の「安定多数」を超えれば、安倍政権は存続する。ただ、選挙前の与党が300を超える勢力から大きく議席を減らすようだと、2018年秋の自民党総裁選で安倍首相の3選は望めなくなる。総選挙後の特別国会や年明けの通常国会では、森友・加計学園問題などが引き続き追及され、安倍政権は不安定なままだろう。

野党側は、政権交代を目指していた希望が衆院でそれなりの勢力を維持するとはいえ、政権交代が実現できなかったことで、小池氏の求心力が低下するのは避けられない。憲法改正や安全保障などの基本政策で党内の対立が表面化する。立憲民主党に移籍する議員も出て、混乱する可能性がある。

(2)自公で過半数ぎりぎり

自民、公明両党で過半数をぎりぎり上回る場合はどうか。安倍首相は政権維持を目指すが、自民党内で「この時期に無謀な解散をした責任」を追及する声が高まるのは必至だ。安倍首相退陣・自民党総裁選を求める動きが強まり、党内抗争が続く。11月4~6日のトランプ米大統領の訪日までに自民党内の対立が収まらず、とりあえず安倍首相が日米首脳会談に臨むことも考えられる。

総裁選となれば、岸田文雄、石破茂、野田聖子氏らが名乗りを上げて争われるだろう。希望の小池氏が自民党に手を突っ込み、非自民政権に向けた多数派工作が進む展開もありうる。自民党を離れた議員を首相候補に担ぐという「奇策」が出るかもしれない。政局の混迷が長引けば、景気にも影響を及ぼすだろう。