ドタバタの野党再編で置き去りにされた感が強いが、選挙の主役はやはり政策論だ。

8日に開かれた与野党8党首の討論会。安倍晋三首相は「われわれは少子化を克服するために社会保障制度を(教育無償化などの)全世代型に変える」と訴えた。だが、全野党がこれと同じ政策を掲げており、争点にならない。

問題はその財源だ。本来なら財源をどう調達するかで競うべきだが、そもそも安倍首相がズルをした。2019年10月の消費増税による増収の使途を借金減らしから教育無償化に変えるとし、事実上の赤字国債での実施をブチ上げた。すると、開き直った野党は有効な財源案を出さないまま、こぞって消費増税の凍結までも打ち出した。

財源の空手形を切って政権を奪取したら、ゆくゆくは政党解体にまで追い込まれることは、民進党が身をもって証明したはずである。しかし、日本銀行が国債の“爆買い”を続ける中、この国の財政規律は緩みきってしまったようだ。

だがそれでも、どの勢力が政権を取ろうと実効性ある財源案の提示は避けて通れない。子育て支援や教育無償化に世論は賛成であり、国民にとって耳の痛い負担増の必要性をどう説得力を持って説明できるかが残された課題だ。

今回、本誌はこの展開を先取りし、全世代型の社会保障に必要となる財源の調達でどのような税が主役になれるのかを試算した。どの税を重視するかは、各政党の理念にも関係する。一方で、実効性ある政策のためには各税の財源調達能力の違いも無視できない。以下、具体的に見ていこう。

[図表1]