「世界が本格的にEV(電気自動車)へ動き出した。このタイミングで届けられるのはすばらしいチャンスだ」

日産自動車の西川廣人社長がそう記者会見で胸を張ったのは新型EV「リーフ」だ。日産が7年ぶりに初めて全面刷新し、世界に先駆けて10月2日から日本で販売を開始。米国やカナダ、欧州でも来年1月から発売する。

日産は早くからEVに着手。2010年に発売したリーフは累計販売が28万台に達し、世界で最も売れているEVだ。仏ルノー・日産・三菱自動車連合で見ると、ルノーは欧州で最も売れているEV「ゾエ」を抱え、昨年に日産が34%出資した三菱も09年に世界初の量産型EV「アイ・ミーブ」を発売するなど、3社連合の累計販売は50万台を超える。

3社の会長を兼ねるカルロス・ゴーン氏は9月15日に仏パリで記者会見し、「EVのリーダーはわれわれだ」と語った。連合として初めて打ち出した22年までの中期経営計画で12車種のEV投入を宣言。3社でチームを組み、複数の車種に展開可能な専用のプラットホームも用意し、一気にEV化を加速させる方針を示した。その試金石がリーフだ。

もっとも、ゴーン氏が以前掲げた16年度の累計EV販売目標150万台には遠く及んでいない。航続距離、充電インフラ、価格という三つの不安や不満が消費者にあったためだ。ただ今回のリーフは「間違いなく倍は売れる。3倍もいける」(西川社長)と強気の姿勢を崩さない。EVの弱点を克服してきたとの自信があるからだ。

新型リーフは、リチウムイオン電池の大幅な容量アップを実現。1回の充電で走れる距離は前のモデルの最大280kmから400kmへ伸ばした。来年は航続距離やモーター出力をさらに上げた新モデルも追加する計画。「EVはもう航続距離で差別化ということにはならない。そういう時代が来ている」と、西川社長は指摘する。

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