電気自動車(EV)普及の大きなカギは、1回の充電で走れる距離を延ばすこと。そのためには電池の改良に加え、車体の軽量化が不可欠となる。軽量化はガソリン車でも燃費向上に向けて進められてきたが、EVではその要求が一段と上がる。

そこで目下、繰り広げられているのが部材の軽量化競争だ。主戦場は既存の鉄に加え、比重が軽いアルミニウムや炭素繊維。さらに窓ガラスを代替する樹脂素材や、シート底部に使用される発泡軽量素材などの開発も進む。軽量化競争の最前線を追った。

 

炭素繊維複合材
日本が誇る先端軽量素材 トヨタが普及車にも採用

トヨタ自動車が今年2月に販売開始した戦略車種の新型「プリウスPHV」。トヨタはその開発に当たって、新たな技術を数多く採用している。中でも業界関係者から大きな注目を集めたのは、バックドアの骨格構造材に先端軽量素材である炭素繊維複合材を採用した点だ。

炭素繊維はアクリル繊維を炭化させたもので、樹脂と一体化させた複合材(炭素繊維強化プラスチック=CFRP)の形で使用される。軽量で鉄よりも強度が高く、耐腐食性にも優れるため、最新鋭旅客機の胴体や翼の構造材をはじめ、ロードバイクのフレーム、大型風力発電風車の羽根部分などにも使われている先端素材だ。