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解除まであと5年 対策に動く国・自治体 買取申し出10年先送りも

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安倍首相は「国難突破解散」とブチ上げたが、生産緑地問題という“大難”回避の重要法案の1つは流れた(撮影:尾形文繁)

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9月28日に召集された第194回臨時国会。ここでは生産緑地の賃借関連の法案が可決されるはずだった。農地の大量放出に伴う地価下落の歯止めの一つになると期待されたものだ。だが、安倍晋三首相による解散のあおりを受け、審議されることもなく成立延期を余儀なくされた。

2022年、3大都市圏における地価の暴落がうわさされている。住宅街の中に点在する生産緑地が大量に放出される、とみられているからだ。生産緑地は3大都市圏だけで1万ヘクタールを優に超え、東京ドーム2500個分以上にもなる。そのうち約8割が1992年に指定を受けている。これらの生産緑地は指定後30年を経て、各市区町村に対し買い取り申し出が可能となる。

だが、地価の高騰と財政難もあり「緑を残したいのだが、価格競争の面で負けてしまう」(世田谷区)というのが実情だ。自治体が買い取れない場合、ほかの農家へ斡旋することになるが、農家が手を挙げなければ指定は解除され、固定資産税などの税制優遇を受けられなくなる。そうなると宅地並み課税となり、農業はほぼ不可能に。これら指定を解除された農地が、大量に不動産市場に流れ込むと懸念されているのだ。

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