閉鎖が決まったシアーズの大型店(米国カンザス州、2017年7月撮影)(AP/アフロ)

2017年は、米小売業の破綻が多かった年として記憶されるのではないか。

リミテッドを皮切りに、ウェットシール、ビービーなど衣料専門店チェーンを中心に、法的手続きに入った企業は2ケタに達している。流れは今も止まっていない。9月18日には玩具チェーン大手、トイザラスが連邦破産法11条の適用を申請した。

店舗を閉鎖する企業も急増。今年に入り、すでにチェーンストアの閉鎖店数は5000を超え、年内に8000を超えると予測する専門家もいる。

経営破綻した衣服専門店「ビービー」の閉店セール

モール出店があだ

今年の傾向としていえるのが、ショッピングモールに出店するチェーンストアに破綻が集中していることだ。小売りとモール、双方の集客力の低下がダウンスパイラルを引き起こしている。

モールには専門店のほかに、百貨店などの大型店が入居することが多い。その大型店の集客力が落ちている事実を端的に表すデータがある。

上図は、06年と同じ単位面積当たり売上高に戻すために必要な閉店率を示したものだ。これらはいずれも百貨店だが、最も売り場効率の悪いシアーズは、実に4割強の店を閉めなければ10年前の売り場効率に戻すことができない。

そのため、店舗の縮小は彼らにとって“長期戦略”である。10年以降メイシーズは200店、JCペニーは90店、シアーズは192店も閉鎖している。今年に入ってからも、たとえばシアーズは全676店中およそ1割にあたる店舗の閉鎖を発表している。しかし図からわかるように、それでも足りないのが実情。リース切れを待ってこれからも撤退は続くことだろう。

小売企業に輪をかけて、モール自体の集客力も落ちている。

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