2017年7月の九州北部豪雨による太陽光発電設備の被害(福岡県東峰村)

「メンテナンスフリー(メンテナンスの必要なし)」と喧伝されることの多かった太陽光発電設備。だが今、その不具合や事故に注目が集まっている。

政府の消費者安全調査委員会は9月22日、住宅用太陽光発電設備の火災事故に関する調査結果を公表した。消費者庁の事故情報データバンクに登録された102件に上る太陽光発電設備の事故のうち、原因調査中・不明を除く58件を分類したところ、太陽電池モジュール(一般に太陽光パネルといわれるもの)または配線からの発火が8件あった。その中には、住宅の屋根に設置されたパネルからの火災も含まれていた。

「太陽光パネルの火災リスクは無視できない」

そう語るのは、太陽光発電所ネットワーク(以下、PVネット)の都筑建・代表理事だ。PVネットは昨年6月から今年9月にかけて、会員宅の太陽光パネルに内装されている「バイパスダイオード」を専用の機器を用いて調査した。その結果、対象159件のうち7件(パネル数は13)で故障を見つけたことを、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が9月21日に開催した報告会で発表した。

太陽光パネルの一部に建物などの影がかかると、その周りの部分にも影響し、発電量が大きく減少しかねない。それを防ぐために設けられているのが、電流を迂回させる機能を持つバイパスダイオードだ。だがこれは、頻繁に作動し続けると故障しやすくなり、導通しなくなったり、短絡(ショート)したりすることがある。このときにパネル内に断線があると、パネルの一部が異常な高温になり、火災につながる危険もある。しかし、そのリスクはこれまであまり注目されてこなかった。

セル、インターコネクター間の接続不良が複数箇所で発生している太陽電池モジュールの発熱状況。IR(赤外線)カメラによる温度測定(写真は産業技術総合研究所の加藤和彦氏提供)
太陽電池モジュールの裏面からの観察。外観ではバックシートの一部に変色が見られる程度だが、IRカメラでは100℃近い高温状態(写真は産業技術総合研究所の加藤和彦氏提供)
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