低価格メニューを武器に、根強い人気を誇るイタリアンレストランチェーン「サイゼリヤ」。既存店の好調を維持する一方、人事制度の見直しや新業態開発にも注力している。手応えや今後の展望を堀埜一成社長に聞いた。

ほりの・いっせい●1957年富山県生まれ。81年京都大学大学院農学研究科修了、味の素入社。2000年サイゼリヤ入社。同社豪州社長などを経て09年4月から現職。(撮影:尾形文繁)

──2017年8月期の既存店は客数、客単価とも前年を超えた。

価格を維持しながら品質の向上に努める、という当社のよさを皆が認めてくれたと思っている。

たとえば最近はハンバーグやステーキのソースを改良した。細かな変化だが、以前よりもたいへんおいしくなっている。パスタを調理する新しい機械の導入も進めている。これまでは麺や具材、スープを鍋で一度に調理していた。それを、麺をゆでて具材は別に炒め、最後に鍋で合わせるようにしたら香りがよくなり、品質も安定した。

サービスも向上させた。お客さんが何に不満を持ち、何に感動するかを分析し、接客や清掃を見直した。笑顔も指導したが皆意外にできていない。顔が筋肉痛になった従業員もいた(笑)。教育にはいちばん力を入れている。

──人事制度の改革にも力を入れている。

昨年9月に新しい人事制度を導入した。昇格試験はこれまで、上役の推薦による要素もあったが、一定の経験を積めば受けられるようにした。また、給与の中で役職手当が占める割合を小さくして、役職を柔軟に入れ替えられるようにした。

店長の上役である地区長と、その上役であるエリアマネージャーが入れ替わってもいいと思う。そうすることで、人材発掘もできるし、視点を変えることもできる。

また、昨年末に勤務地域を限定した社員の制度を設けた。マネージャーにはならず、接客などの店舗運営を専門に担う社員の制度も18年4月から始める。