【今週の眼】小峰隆夫 大正大学地域創生学部教授
こみね・たかお●1947年生まれ。東京大学卒。経済企画庁経済研究所長、物価局長、調査局長、国土交通省国土計画局長などを経て、2017年4月から現職。日本経済研究センター理事・研究顧問も務める。著書に『人口負荷社会』『日本経済論の罪と罰』『政権交代の経済学』など。(撮影:尾形文繁)

選挙のたびに日本の経済政策は民意迎合的な方向にシフトダウンする傾向がある。その典型が消費税の取り扱いだ。

消費税については、民主党(現民進党)政権のときに、自民、公明も含めた3党の合意により、5%だった税率を2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げることが決まっており、8%への引き上げは予定どおり行われた。

ここからシフトダウンが始まる。14年12月に衆議院選挙が行われたが、この直前に安倍晋三首相は10%への引き上げを17年4月に先送りすることを決め、民主党もこれに反対しなかった。3党合意による消費税率の引き上げが、突然3党一致の引き上げ延期に大きくシフトダウンしたのだ。

これは、そのまま選挙に突入すると、自民・公明両党は税率引き上げ延期、民主党は予定どおり引き上げという構図になってしまい、民主党が国民の反増税感情の標的になってしまうからだ。

16年7月の参議院選挙も同じである。安倍首相は選挙直前の6月に、17年4月の税率引き上げを19年10月に延期し、民進党もこれに倣ってしまった。

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