民進党を離党した細野豪志衆院議員(右)。非共産系の野党結集の行方が注目される(時事)

衆議院の早期解散が確定的となった。安倍晋三首相は当初、想定していた「憲法改正の発議後の2018年後半の総選挙」という方針を転換して「年内解散・総選挙」を決断した、と9月17日の朝刊各紙が報じた。政府と与党は、28日召集の臨時国会の冒頭か、開会数日内の解散も視野に、具体化の検討を始めた。最短で10月22日投開票も選択肢となる。

安倍内閣は今年前半の森友・加計疑惑や閣僚の失態・失言などで支持率が急落したが、8月の内閣改造の後、回復に転じた。

一方、9月1日に前原誠司新代表を選出した民進党は、幹事長人事の迷走で船出から「嵐の航海」となった。加えて前原登場後も所属議員の離党が相次ぎ、混迷が続いている。安倍首相は今が解散の好機と決意を固めたようだ。

とはいえ、総選挙で狙いどおり「与党勝利・1強維持」という結果に持ち込めるとは限らない。長期政権の増長・慢心・弛緩による問題噴出を見て、与野党の相互監視と政権交代可能な政党政治という議会制民主主義の機能をあらためて認識した国民も多かった。

それには野党側が自民党・公明党連合軍に対抗できる政治勢力の結集を図ることが不可欠だが、総選挙が近づいても見通しが立たない。国民の旧民主党政権への幻滅と絶望は今も尾を引いていて、民進党に対する国民の期待感は完全消滅状態である。前原代表の最重要任務は、間近に迫った総選挙を通して自公の対抗勢力を生み出すことだ。国民の期待感を再醸成できるかどうかがカギとなる。

実際には政権側の失政や不評が野党への期待感につながるから、失政追及や不評あぶり出しは効果的だが、党のリーダー、衆参の議員、選挙の候補者などに魅力的な人材を揃えることができるかという「人」の問題も重要である。