北海に林立する洋上風力発電設備。国際送電網を通じて、電気がEU各地に送り届けられる(EPA=時事)

英国南東部と欧州大陸のベルギーを結ぶ海底送電線の建設が今夏に始まった。総延長は141キロメートル。そのうち130キロメートルについては海底を3メートル掘削してケーブルを埋設する。総投資額は6億6000万ユーロに上り、2019年に運転開始が予定されている。送電能力は1000メガワット(100万キロワット)と、ベルギーのピーク時の電力需要の7%に相当する。

このネモ・リンク計画では日本の住友電気工業グループが独自開発した世界最先端の送電ケーブルを用いて建設が進められている。プロジェクトの狙いは再生可能エネルギーの大規模な融通だ。

事業主体である英国とベルギーの大手送電会社が合弁で設立したネモ・リンク社のバート・マエス共同CEO(最高経営責任者)は、「再エネは発電量が四六時中変動するため、国際送電網を用いて均衡を保つことが重要だ」と説明する。英仏、英ノルウェー、英アイルランド間でも、大規模な送電網建設計画が目白押しだ。

EU(欧州連合)は30年の目標として、発電電力量に占める再エネの割合を50%程度に引き上げるという野心的な目標を打ち出している。その成否のカギを握るのが、国境を越えた送電網の整備だ。

EUの狙いは再エネの大規模な拡大および電力の統一市場の構築にある。EU委員会は、「欧州電力ハイウェー」と称する大規模プロジェクトを推進。欧州の南北および東西を結ぶ国際送電線の建設構想を打ち出している。