太陽光や風力などの再生可能エネルギーが豊富にあっても、送電線を使えなければ、消費者に電気を届けることはできない。現在、送電線が制約要因となり、再エネ電気を送ることのできない事態が全国各地で発生している。

問題が最も深刻化しているのが北海道だ。日本における風力発電の最適地でありながら、北海道電力の調整能力がネックになり、再エネ発電を手掛ける企業のコストが大幅に増加している。

「風力発電を電力系統(送電網)につなぎたいのであれば、出力の変動を減らすための蓄電池の費用負担受け入れが条件になる」

昨年4月、北電はそんなルールを風力発電事業者に示した。

北海道北部は風の強く吹く地域が多く、風力発電の適地だ(共同通信)

風力発電では風の強さによって発電量が大きく変動する。そのため、電力会社の受け入れ能力を超えた量が送電網に接続されると、火力発電を用いた変動の吸収が追いつかなくなる。そこで、「発電事業者が蓄電池を自前で導入するか、当社が用意した蓄電池の費用を負担してほしい」というのが、北電が風力発電の新たな接続に際して打ち出した条件だ。受け入れなければ風力発電設備を送電線につなぐことはできないという、世界でも例のないルールだ。

蓄電池の導入費用は高い。たとえば3メガワット(3000キロワット)級の風車1基を建設した場合、7億~8億円の建設費に対して、1億円以上の追加費用がかかるとも言われる。なぜ、北電のエリアに限ってこんな問題が起きているのか。

札幌にある北海道電力本店