今の会社では価値が発揮されない経験が転職で花開くこともある(イラスト:秋葉あきこ)

50代の転職市場が活性化している。「シニアの流動化が加速し始めた」。人材紹介のジェイエイシー リクルートメントの松園健社長は語る。グローバル化で海外経験者の採用ニーズが高まり、地方は地場産業活性化のための人材を呼び込もうとしている。オーナー経営者の世代交代期で、子供に任せるまでの中継ぎとしてのシニアも求められている。

「シニアの経験が場所を変えることで生産性の向上や人材育成に役立ち、本人もやりがいを得られる」と、松園社長。長年同じ会社にいると社内の価値観に染まりがちだが、外へ出れば組織も仕事の進め方も異なる。それに柔軟に適応できるかどうかがカギとなる。

大企業の役職経験者には、採用面接を受ける側なのに腕組みをしてふんぞり返っている人、中小企業に行って居丈高に振る舞う人もいる。それに対して、大企業でも仕事の仕方が異なる多部署を経験している人は適応力が高いという。

では、具体的に50代はどうすればいいのか。パソナキャリアカンパニーの渡辺尚プレジデントは、60歳で再雇用されたときの仕事内容、賃金をまず把握すべきだと言う。「大手企業でも再雇用になると年収が300万円台に落ちるケースが少なくない。早期退職して中小企業の管理職になれば65歳を超えても十分な年収を得られることもある」。一時的に年収が下がっても、総額では今の会社に居続けたときを上回る場合もあるのだ。