鶴野さんが定年後の職場に選んだのは、阪神大震災時に在籍した神戸支店だ

大和証券の神戸支店に勤務する鶴野哲司さん(68)。1973年の入社以来、個人向け営業一筋。東京・自由が丘を振り出しに、神奈川、宮崎、大阪など、支店を渡り歩いてきた。

現在の肩書は上席アドバイザー。大和証券独自の制度で、実績のあるベテラン営業員を対象に、原則転勤なしで自分の希望する支店で仕事を続けられるというものだ。60歳の定年以降、基本給は下がるが、賞与の算定基準は変わらない。証券会社の場合、基本給より賞与の額のほうが大きいので、年収はある程度の水準を維持できる。

2006年の制度導入当初、雇用延長は65歳までだったが、13年に70歳まで引き上げられた。そして今年6月には上限年齢が撤廃された。「せっかく制度を見直してくれたのだから、70歳までは辞められない」と鶴野さんは笑う。