第一勧業銀行(現みずほ銀行)の総会屋利益供与事件の際、広報部次長を務めた江上剛氏は、49歳で作家に転身した。サラリーマンが第二の人生を歩み出すためのヒントを聞いてみた。

作家 江上 剛
えがみ・ごう●1954年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。同行の総会屋利益供与事件に広報部次長として対応。2002年『非情銀行』で作家デビュー。03年みずほ銀行退行。近著に『病巣』(朝日新聞出版)。(撮影:今井康一)

僕は49歳で銀行を辞めた。確かにいろいろなことがあって辞めたのだが、「50歳になったら辞められないな」とも考えていた。

50代になれば順当なら執行役員に昇進する。さらに取締役になりランクアップしていくか、そうでないなら出世をあきらめるか。あきらめたら役職定年になる。一般の会社でも同様だろう。

だから50歳を超えたらそのままズルズルと過ぎて、辞める決断ができなくなると思っていた。必ずしも作家で食べていけるという自信があったわけでもないけれど。

早期退職の募集もあったが、結果的にはそのまま銀行に残る選択をした同期が多かった。逆に出ていったやつで、すごくうまくいっているという話も聞かないね。

50代は孤独を愛し自分を見つめ直せ