スポーツ用品で国内首位のアシックス。中上級者向けのランニングシューズを武器に成長を続けてきた。ただ、足元は収益柱の米国、欧州の苦戦が目立つ。どのように立て直していくのか、尾山基会長兼社長CEOに聞いた。

おやま・もとい●1951年生まれ。74年大阪市立大学卒業、日商岩井(現・双日)入社。82年アシックス入社。ウォーキング事業部長などを経て、2008年4月に社長に就任。17年3月から会長を兼務。(撮影:ヒラオカスタジオ)

── 一時は売上高で世界3位が見えたが、近年は伸び悩んでいる。

あまりよくない。今年は売上高4200億円の計画だ。2018年も今年から大きく上乗せできる状況ではない。15〜18年の4年連続で4000億円前後というのは忸怩(じくじ)たる思いだ。

米国などでトレンドの変化に対応できず、小売店の経営悪化も影響した。伸びしろがあるのは中国と、国内最高位のスポンサー権を持つ五輪関連商品だ。ただ、中期経営計画で掲げる「20年に7500億円」という目標の達成は難しいかもしれない。

──収益柱の米国と欧州をどう立て直すのか?

「ネオンラン」(夜に光るグッズを身に着けて走るイベント)のように、ランニングやフィットネスは楽しさやファッション性を重視するのがトレンドになっている。

これに対応し、機能性を保ちつつ、ファッション性を高めた商品を発売した。8月に開業した英ロンドンの旗艦店でも反応はいい。

販売チャネルについても見直しを進めている。経営状況が悪く、商品をかなり値引き販売している店などをチェックし、それ以外の店に商品を重点的に投入する。

また、欧米を含む大都市ではSNSでアスリートやモデルを起用したマーケティングを行う。当社が弱いウエアに関しては、8月に投入した商品を12月まで店頭に置くやり方はもう古い。売り上げ動向を見ながら複数回投入できるように検討を始めている。