旅行業界のガリバーはビジネスモデルを自己改革できるのか。頻発する海外テロ、国内外オンライン旅行会社(OTA)の台頭など、旅行業界をとりまく環境は激変している。

こうした状況に伝統的な旅行会社であるJTBも対応を迫られている。第3の創業を掲げ、2018年4月に12年ぶりのグループ再編を行う高橋広行社長に聞いた。

たかはし・ひろゆき●徳島県出身。1979年、関西学院大学卒、日本交通公社(現JTB)入社。高松支店長、JTB西日本社長などを経て、2014年6月から現職。(撮影:今井康一)

──訪日観光客の増加が続き、旅行業界への期待が高まっている。

今まで国内旅行、海外旅行しかなかった業界にとって、16年度に2400万人に達した訪日観光客は大きなプラスだ。昨年は大都市に集中していたが、最近は地方への分散が進み、ホテルや航空座席の逼迫感も大分薄れてきた。

──米エクスペディアなどOTAの台頭が著しい。

世界の旅行業界はWeb化とFIT(海外旅行の個人手配)化という波に見舞われているが、グローバルのOTAと同じ土俵で戦うつもりはない。JTBはWeb、店舗、コールセンター、法人営業と多様なチャネルがある。Webはその一つとして磨いていく。

──同じような主張をしていた日本のアパレルや米国の小売りはネット通販に競り負けている。

店舗に人員やパンフレットを配置し、高い費用をかけて売る方法が通用するとは思っていない。業務を仕分けして、単品の宿泊商品はWebで販売していく。

一方、店舗はデジタルの力も導入しつつ、人手を介したソリューション提案でJTBならではの価値を生み出す。次世代店舗のあり方を試行錯誤しており、今後、店舗とWebの比率は見直す方針だ。