永田町で「モリ・カケ疑惑」と呼ばれている森友学園・加計学園をめぐるスキャンダルは、国会閉会中も次々と新事実が明らかになり、国民の関心も依然として高い。小学校建設や獣医学部開設に不明朗な点があるためだけではない。安倍晋三首相やその周辺が関与しているのではないかとの疑念がぬぐえないからだ。安倍政権が身内を厚遇する「お友達体質」を感じ取る向きも多い。そのため安倍政権の支持率は急落、安倍首相の「一強多弱」政局も様変わりした。モリ・カケ疑惑は収まりそうにない。

森友学園事件のポイントは以下の三つに絞られる。1.小学校建設に向けた国の補助金や、運営する幼稚園への大阪府・市の補助金を不正に取得した、2.鑑定価格9億円余の国有地だった小学校用地が8億円余も値引きされた、3.安倍首相夫人の昭恵氏が小学校の名誉校長に予定されるなど安倍首相夫妻と森友学園の関係。

このうち補助金をめぐっては、籠池泰典前理事長夫妻が大阪地検に逮捕されており、いずれ裁判で決着がつく。それに対して国有地の値引きの経緯は明確になっていない。国有地を管理する近畿財務局関係者が背任容疑で告発され、大阪地検が捜査を始めているが、関係する官僚の摘発にまで進むのかどうかが焦点だ。国有地値引きの根拠とされた地中ゴミはどのくらいあったのか、疑惑は深まるばかりだ。仮に財務局幹部にまで捜査の手が伸びるとなれば、政権にとって大打撃となる。一方、官僚の摘発が見送られれば、捜査への批判が出ることも予想され、政権への影響も出てくるとみられる。

さらに昭恵氏が国有地売却にどこまで関係していたのか、安倍首相自身は知っていたのかといった点は、今後、国会で追及されていくだろう。森友問題は、地検の捜査と国会審議、メディアの報道が同時進行していく。

加計問題はどうか。加計学園が来年4月に愛媛県今治市で開校を予定している獣医学部について、文部科学省の大学設置・学校法人審議会は認可を保留し、10月にあらためて判断することを決めた。国家戦略特区の枠組みで開校に向けた手続きが認められたが、最終的な認可には至らなかった。