プロ野球団・福岡ソフトバンクホークスが毎年6〜8月に開催する「鷹の祭典」。レプリカユニホームや応援グッズが無料配布されるので人気は高い。特に、1試合だけ開催される東京ドームでのチケットはプラチナ化する。ファンクラブ優先受け付け中にほぼ完売し、一般発売開始時に残っているのは立ち見席と、ユニホーム配布のないビジター応援席くらいだ。

国内最大のチケット取引サイト・チケットキャンプ(以下、チケキャン)には、ファンクラブ優先受け付け開始の直後から、このゲームのチケットが大量に出品され始める。価格は大半が定価の倍以上。

ところがゲーム当日、2階席には空席が目立った(写真右)。チケットは完売なのに、だ。

どちらも完売・満員御礼なのに目立つ空席(左/写真提供HIROスポ!、右/筆者撮影)

似たような現象は、広島東洋カープが主催する5月23日のマツダスタジアムでも起きていた。この日の対戦相手・東京ヤクルトスワローズの応援スタイルを逆手に取った赤いミニ傘が、来場者全員に無料配布される日だった。前売りチケットは、赤いミニ傘配布が告知されたその日にほぼ完売していた。その後、チケキャンにはやはり大量の出品があった。

しかし、当日のビジター応援席はガラガラ(写真左)。マツダスタジアムでは、チケットを買えなかったカープファンが、カープへの応援が禁止されているビジター応援席のチケットを買って入場し、コンコースで立ち見をすることがほぼ常態化している。

ただ、この日はそのコンコースもさほど混んでいなかった。公表観客動員数は超満員だったにもかかわらず。試合開始から数時間後、オークションサイトのヤフオク!やフリマアプリのメルカリには赤いミニ傘が出品され始めた。傘だけ受け取り、ゲームを観戦せずに球場を後にした人が多かったと考えれば、この現象も説明がつく。

完売なのに空席が目立つ。なぜこういう現象が起きるのか。背景には、チケットの転売を生業(なりわい)にしているチケットゲッターの存在がある。ゲッターは会費を負担してファンクラブに入り、優先受け付けの段階で、買えるかぎりのチケットを買う、いや「仕入れ」る。