今年4月の軍事パレードで登場したICBM。模型説もあるが…(AFP=時事)

飛ばすことには成功、ミサイルという武器としては未熟──。北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)は、はっきり言えばこのレベルだ。

7月4日に北朝鮮が発射に成功したと発表したICBM「火星14」は高度2800キロメートルに達したとされる。ただ、「ロフテッド・ローンチ」、すなわち通常よりも高い高度へと打ち上げる発射方式だった。この方法は、高高度に達して落下し、着弾するもの。広い射場を持たない北朝鮮が仕方なく選択した発射方法にすぎない。

火星14は高高度に達し、飛行距離も伸びた。米国本土に到達する核兵器搭載ICBMを開発・製造すると、米国と対等な立場に立てると考えているからこそ、北朝鮮はその開発を急いでいる。現段階では、燃料・発射部分は技術レベルに達しているといえる。つまり、「ロケット」として成功しているということだ。これはすでに2016年2月に人工衛星を搭載した「光明星4号」を発射し、人工衛星を軌道に乗せていることからもわかる。光明星4号はテポドン2号の派生型だ。

ただ、ICBMには必須な、大気圏外に出た後の再突入技術を保有しているかといえばノーだ。火星14は7月4、28日と2回発射されたが、高度2800キロメートル、3000キロメートルに達したとされている。だが、高度500キロメートル以下とされる大気圏は出たものの、再突入に成功したかといえば、それはありえない。再突入の際に生じる摩擦熱で、ミサイルは7000度の高熱で燃え尽きている。

火星14に対し、米国は米国本土に到達できるICBMだと判断しているようだが、それは「計算上は」「論理的に」それだけの距離の飛行が可能だというだけの判断だ。あくまでも机上での前提として考えている。7月4日の火星14は通常の発射では射程が6700キロメートルとなり、米アラスカまでは到達できる。また同月28日のものは、同1万キロメートルで米国本土に届く。だが、あくまでも計算上の話だ。

確かに米国本土に届くことから、基準値である5500キロメートルを超え、ICBMと呼ぶことはできる。だが、核弾頭とはいえ、少なくとも狙った都市の上空に落とせるかは疑問だ。ミサイルという兵器として完成させるには、あと10年はかかるのではないか。そこまでの技術を、北朝鮮はまだ持っていない。つまり、「ミサイルという製品ではない」ということだ。