米国ワイオミング州の風光明媚な避暑地に毎年夏、各国の中央銀行幹部や学者らが集まって経済政策について意見を交わす、「ジャクソンホール会合」が今年も開催された。

講演や議論の中身は専門的なものなので、かつてはメディアの注目度もさほど高くなかった。しかし、リーマンショック後にFRB(米国連邦準備制度理事会)のバーナンキ前議長やECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁が追加緩和の手段を示唆したことで、市場参加者が注目するようになった。

今年来日して講演が大盛況だったノーベル賞経済学者、クリストファー・シムズ教授の「シムズ理論」も2016年夏の同会合での講演で注目された。安倍晋三政権のブレーンである浜田宏一米イェール大学名誉教授が「これを読んで考えが変わった」と評価した。

今年のジャクソンホール会合のテーマは「グローバル経済のダイナミズムを促進する」。イエレンFRB議長やドラギ総裁が出席してスピーチを行うとあって、金融緩和政策の出口へ向けた「次の一手」を探ろうと市場関係者は注目した。だが肩透かしに終わった。

イエレン議長の講演のタイトルは「危機発生後10年間の金融の安定」。世界経済が活力に満ちた成長をしていくには強靭な金融システムが決定的に重要だ、と強調するにとどまり、今後の利上げの頻度や9月にバランスシート縮小に着手するのかどうかについて、言及はなかった。